2009年 02月 26日
価格の向こう側 |
西日本新聞の連載特集である食卓の向こう側が、今回、価格の向こう側ということで連載中でしたが、一昨日2月24日の掲載分に私が投稿したものが一部抜粋で載っていますのでご一読いただけたらうれしいです。
価格の向こう側は今回第2部ですが、第1部も含めて感想等を少し書きたいと思います。
今回の価格の向こう側というテーマはきわめて大きなものであり、かつ、日本の食料問題を考えるときに、ある意味根幹となるテーマだと思っています。
連載では、根幹に関わる問題を、独自の取組で解決していこうという方々の具体的実践が示されています。
少し話が食から逸れますが、ここ数年、大きな社会問題になっているオレオレ詐欺についてです。オレオレ詐欺の手口がますます巧妙になっていることも要因ではあるのですが、だまされないための様々な啓発活動がなされているにも関わらず、その被害は減少していません。
だまされないために、だまされるケースについて多くの情報が高齢者の方々に発信されており、そのことはある意味必要かもしれませんが、これだけでは高齢者の方々はじめ、その情報を受信されている方々にとって、ますます悪い世の中になっている、回りには人を平気でだます人がたくさんいる、そんな世界観が広がっていくのではないでしょうか。
オレオレ詐欺が発生している背景に、家族の絆、地域の絆が希薄になっているところに詐欺が入りやすいという因果関係があるのではないでしょうか。
ならば、この機会に家族の絆を強める、地域の絆を強めるということを打ち出してはどうでしょうか。そこに解決の糸口があるような気がしています。
さて、なぜオレオレ詐欺の例を出したのかですが、食を取り巻く今の現状をどう見て、それに対してどのように対応していくのかを再度考えるためです。
戦後、日本は物不足、栄養不足の時代であり、そこにあった消費者のニーズは十分な量の食べものそして十分な栄養の確保ということでした。このニーズに応えるように大量生産が始まり、あわせて価格の低下によるすべての消費者への安定供給というのも始まっていきました。
これは「物不足」という極にふれた振り子を戻すための働きです。そのため、大量生産という反対の極へ振り子を大きく動かしていったのですが、大量生産という極に触れたときに大量消費、大量廃棄という「物余り」の極にもふれているというのが今の状況だと考えています。
そう考えたとき、今起きている食を取り巻く問題は、悪いことの積み重ねの結果起きているとは思えないのです。
たくさんの人に喜んでほしいという思いの積み重ねの結果起きてきたことであり、振り子が振れすぎたこと及び時代背景が変わってきたことにより次の課題が浮き彫りになってきたと考えてはどうでしょうか。
自給率の向上(地産地消の推進)、食生活の見直し、食品ごみの減量、など食を取り巻く問題が山積ですが、大量生産そして大量消費の流れを生み出した原動力は、日本をもっと豊かな国にしていきたい、豊かな国にして未来につなげていきたいという強く思いではなかったでしょうか。
私たちは、その思いの結果として今の生活ができていることに、まず敬意と感謝の気持ちをしっかりと持つことが大切だと思います。
そうしてはじめて、大量生産大量消費の中で、置き去りにしてきた生きる知恵を敬意と感謝で見つめなおすことができ、課題解決につながっていくような気がしています。。
昨日終了しましたが、今回の連載「価格の向こう側」に登場する方々の取組に、悲壮感ではなく、食に関わる問題に果敢に取り組み、これをチャンスにしていこうとする力強い意志を感じました。
ちょっと前の梅 今は満開
価格の向こう側は今回第2部ですが、第1部も含めて感想等を少し書きたいと思います。
今回の価格の向こう側というテーマはきわめて大きなものであり、かつ、日本の食料問題を考えるときに、ある意味根幹となるテーマだと思っています。
連載では、根幹に関わる問題を、独自の取組で解決していこうという方々の具体的実践が示されています。
少し話が食から逸れますが、ここ数年、大きな社会問題になっているオレオレ詐欺についてです。オレオレ詐欺の手口がますます巧妙になっていることも要因ではあるのですが、だまされないための様々な啓発活動がなされているにも関わらず、その被害は減少していません。
だまされないために、だまされるケースについて多くの情報が高齢者の方々に発信されており、そのことはある意味必要かもしれませんが、これだけでは高齢者の方々はじめ、その情報を受信されている方々にとって、ますます悪い世の中になっている、回りには人を平気でだます人がたくさんいる、そんな世界観が広がっていくのではないでしょうか。
オレオレ詐欺が発生している背景に、家族の絆、地域の絆が希薄になっているところに詐欺が入りやすいという因果関係があるのではないでしょうか。
ならば、この機会に家族の絆を強める、地域の絆を強めるということを打ち出してはどうでしょうか。そこに解決の糸口があるような気がしています。
さて、なぜオレオレ詐欺の例を出したのかですが、食を取り巻く今の現状をどう見て、それに対してどのように対応していくのかを再度考えるためです。
戦後、日本は物不足、栄養不足の時代であり、そこにあった消費者のニーズは十分な量の食べものそして十分な栄養の確保ということでした。このニーズに応えるように大量生産が始まり、あわせて価格の低下によるすべての消費者への安定供給というのも始まっていきました。
これは「物不足」という極にふれた振り子を戻すための働きです。そのため、大量生産という反対の極へ振り子を大きく動かしていったのですが、大量生産という極に触れたときに大量消費、大量廃棄という「物余り」の極にもふれているというのが今の状況だと考えています。
そう考えたとき、今起きている食を取り巻く問題は、悪いことの積み重ねの結果起きているとは思えないのです。
たくさんの人に喜んでほしいという思いの積み重ねの結果起きてきたことであり、振り子が振れすぎたこと及び時代背景が変わってきたことにより次の課題が浮き彫りになってきたと考えてはどうでしょうか。
自給率の向上(地産地消の推進)、食生活の見直し、食品ごみの減量、など食を取り巻く問題が山積ですが、大量生産そして大量消費の流れを生み出した原動力は、日本をもっと豊かな国にしていきたい、豊かな国にして未来につなげていきたいという強く思いではなかったでしょうか。
私たちは、その思いの結果として今の生活ができていることに、まず敬意と感謝の気持ちをしっかりと持つことが大切だと思います。
そうしてはじめて、大量生産大量消費の中で、置き去りにしてきた生きる知恵を敬意と感謝で見つめなおすことができ、課題解決につながっていくような気がしています。。
昨日終了しましたが、今回の連載「価格の向こう側」に登場する方々の取組に、悲壮感ではなく、食に関わる問題に果敢に取り組み、これをチャンスにしていこうとする力強い意志を感じました。
ちょっと前の梅 今は満開
by syokuiku-net
| 2009-02-26 06:31